時間も空間も超えて純化した美が集まるシンプルなかたち展

現在、六本木の森ビル高層階に位置する森美術館で、徹底して装飾を取り除き、ギリギリまで純化させた美を持つ作品を集めた「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」が開催中です。五輪塔や漆工芸品、仙厓などの日本の古美術や古代エジプトやメキシコの遺物からピカソやマチス、ブランクーシといった近代の巨匠たちの作品、そして杉本博司や李禹煥、オラファー・エリアッソン、カールステン・ニコライらの現代美術の作品まで、時代も空間も超えた究極の「シンプルな美」を湛える作品が集まっています。

大巻伸嗣《リミナル・エアー スペース-タイム》

この展覧会で初公開となった作品です。薄布が床からの風をうけて軽やかに形を変えていきます。定まることのないはかなくも美しいイメージは、日本的な無常観をも感じさせます。


オラファー・エリアソン《丸い虹》

天井から下げられた金属の輪に光が当てられ、光は乱反射しながら広がっていきます。じっとみていると、一種トランス状態に陥りそうな、そんな空間が広がっています。




アンソニー・マッコール《円錐を描く線》

こちらは映像インスタレーション。暗闇の中に雲のような煙のような不思議な形が浮かびあがります。光の部分に手を入れてみると、それによって変化します。


スティーブ・ジョブズはデザインについて語る時、出品されているピカソの牡牛の連作をいつも引き合いに出していたそうです。この牡牛の絵、最初は量感のある姿からどんどん単純化されていき、最後はシンプルな線のみで描かれるようになります。シンプルになればなるほど美しさが増す。そうした思想は、日本人にとってとてもなじみ深いものかもしれません。そしてその考え方は広く世界でも愛されてきたものだということを再認識した展覧会でした。ちなみに銀座メゾンエルメス フォーラムでは関連企画として「線を聴く」展も同じく7月5日まで行われ、カールステン・ニコライによるドローイング作品も展示されています。



シンプルなかたち展:美はどこからくるのか

会  期: 2015年4月25日(土)-7月5日(日)

会  場: 森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)

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