奈良美智展の会場風景をアップしました新しい一歩へ

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初めて試みられたブロンズ彫刻[/caption] 横浜美術館で開催される奈良美智展の内覧会に行ってきました。奈良さんと言えばちょっと鋭い目つきな女の子がトレードマーク。最近は原発反対デモのイメージに少女の作品が使用されるなど、大人から子供まで多くのファンを惹きつけています。横浜美術館での個展は2001年に行われて以来、二度目となります。今回の展示作品は1点を除いてすべてが新作。なかでも展覧会の最初の部屋を飾ったブロンズの彫刻群は初公開です。 [caption id="attachment_1170" align="alignnone" width="375"]
「真夜中の巡礼者」[/caption] 私がとても気になったのがこの作品。「真夜中の巡礼者」というタイトルで、彫刻としての量感がありながら、ほんの少し浮いているような不思議な感覚を受けました。なんとなく夢の世界の住人のよう。他の作品にしても、何か大地からそのままにょっきり出てきたような、山のような、自然と一体化した形のように思えます。そして表面には奈良さんの指の跡がくっきり。何かその形を一押し一押し確かめているような、改めて再認識していっているような奈良さんの制作風景を思い浮かべました。   [caption id="attachment_1171" align="alignnone" width="500"]
ブロンズにぬく前の石膏[/caption] 同じお部屋には鋳造する前の石膏もあります。こうした制作を経て、ブロンズなどへ鋳造されていくわけですね。  
そして、こちらはさらにその前段階、エスキースです。いつもの奈良さんの平面作品よりももっと素に近いものを感じます。線がとても綺麗。この線だけで、しっかりと空間把握ができているのは、やはり相当な技量を持っているアーティストなのだと改めて認識します。   [caption id="attachment_1173" align="alignnone" width="375"]
奈良さんのアトリエを再現した空間[/caption] こちらは奈良さんのアトリエを再現した空間。なんだか愛おしくなるような大切なものがたくさん詰まったお部屋です。この場所だけ、音楽が流れていますが、これは奈良さん本人が今回の展示のためにチョイスしたものだそう。正面左側の壁には奈良さん直筆の曲名リストが貼られています。   [caption id="attachment_1174" align="alignnone" width="500"]
以前よりも大人になった女の子?[/caption] ペインティング作品も展示されています。この作品は描かれた少女が以前よりも大人っぽくなっているように感じますが、いかがでしょうか?   [caption id="attachment_1175" align="alignnone" width="500"]
キャンバスではなく板などに描かれた作品[/caption] そして、キャンバス以外にも板に描かれた大作もあります。布にしみこんでいくような感覚とはまた違う、抵抗感のあるマチエールがおもしろい。そして、やはり色彩がとても綺麗。   [caption id="attachment_1176" align="alignnone" width="500"]
最後の部屋に飾られたペインティング作品。左は未完です[/caption] そして最後のお部屋には鉛筆だけで描いたものと、ペインティング作品が展示されています。この写真に写った右側の作品はまだ未完。ということは、右のように完成するまでの前段階を見ることができるというわけです。   そして実はこの後にもお楽しみが残っています。常設展示のなかで奈良さんの作品が、ピカソやセザンヌらと並んで展示されています。 [caption id="attachment_1177" align="alignnone" width="375"]
最新作「ジュリアン」には、男の子が描かれています[/caption] うっかり見逃してしまいそうですが、じつは最新作がここに展示されています。この「ジュリアン」はとても珍しく男の子が描かれています。そして色彩も全体にグレーで統一されています。ナイーブで、どこか植物と一体化したような、あるいは精霊のようなイメージも感じます。粗い麻のキャンバスがマチエールを作っていて、やわらかい色彩なのですが深い空間が生み出されています。   [caption id="attachment_1179" align="alignnone" width="375"]
29歳のときに描かれた「リトル・プリンス」[/caption] そして同じ部屋には、奈良さんが20代の終わりに描いた「リトル・プリンス」が。最新作と比べてみると、技法は深化しながらも、通底するイメージの力は通じるものがあるのがわかります。   さらに、もうひとつお楽しみが。カフェにもじつは奈良さんの作品が展示されているんです。 [caption id="attachment_1180" align="alignnone" width="375"]
カフェに展示された「リーゼント犬」[/caption] こちらも新作で、その名も「リーゼント犬」! すごいカワイイ。思わず目が釘付けに。他にも少女の彫刻やデッサンがあります。ぜひお見逃しなく。   館全体を使って、驚きと発見に満ちた鑑賞体験を与えてくれる今回の展覧会。ただ、奈良さん自身は、この展覧会の前に、ご自身のお父様や親しい方を亡くされ、また東日本大震災もあり、一時、絵が描けなくなるほどだったといいます。そこから、彫刻の制作を通して徐々に回復され、さらに絵を描くこともまたできるようになったとのこと。大きな転換を経た奈良さんの新しい一歩と言える展覧会だと実感しました。 なお奈良さんの制作風景などがyoutubeにまとまっていますので、こちらもぜひご覧下さい。 [youtube]http://youtu.be/b8wqfRHTag8[/youtube]     [caption id="attachment_1157" align="alignnone" width="500"]
展覧会場を出ると、奈良さんのこれまでの歩みや制作過程がまとめられています[/caption] [caption id="attachment_1158" align="alignnone" width="500"]
美術館を入ってすぐ左の特設ショップにはオリジナルのぬいぐるみやポストカードなどが[/caption] NARA Yoshitomo a bit like you and me... 奈良美智:君や僕にちょっと似ている
• 会期:2012年7月14日(土)-9月23日(日)
• 会場:横浜美術館
• 主催:横浜美術館(横浜市芸術文化振興財団・相鉄エージェンシー・三菱地所ビルマネジメント 共同事業体)
• 協力:みなとみらい線 / 横浜ケーブルビジョン / FMヨコハマ / 首都高速道路株式会社
• 協賛:資生堂
• 後援:横浜市

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