空間と彫刻 保井智貴・國時誠・小野雄紀展の心地よさ

以前から注目している保井智貴さんがファッションデザイナーの國時誠さん、サウンドデザイナーの小野雄紀さんと共にコラボレーション展“calm”を行っているBOOK GALLERY WALLに行ってきました。 オープニングのお知らせを頂いていたにもかかわらず、3月号の等伯特集のてんやわんやでお伺いできなかったため、今日、拝見してきました。 南青山にあるBOOK GALLERY WALLは、普段はデザイン事務所として使用されている場所で、部屋の一室には同事務所の刊行物をいつでも閲覧できるBOOK GALLERYが設けられています。 マンションの玄関を入って廊下を少し進むと、目の前にBOOK GALLERYがあり、その一室には白で統一された本棚に、これまた白を基調とした書籍の数々が整然と置かれています。きちんと整理された書棚の美しさ。その一部に空間があると思ったら、そこには保井さんのミュールを形作った彫刻がぽつんと置かれています。さらに歩を進めれば、本棚が途切れた向こうに女性の彫刻と出会いました。 保井さんの彫刻には以前から密やかな美しさを感じていました。無言の語りかけとでもいうのでしょうか。数少ない言葉がぽつりぽつりとつぶやかれているような、それでいて確かにそこに存在するという実在感があるのです。 今回は、ギャラリーや美術館とは違った、人が生活する空間に置かれた彫刻たち。穏やかな音楽も背後から空間を包み込んでいます。本に書かれた言葉、そして音楽がもたらすイメージ、そして彫刻の持つ静かな記憶。それらが一体となって、心地のよい物語の世界へと誘われていくような感覚を覚えました。彫刻には、その場の空気を変える強い力があるということ、彫刻と空間との関係の大切さを改めて実感するひとときでした。 “calm”はBOOK GALLERY WALLで2月20日まで開催です。皆様ぜひ、静かな語らいに耳を傾けてくださいませ。

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