伝えゆく典籍の名宝展、国宝 「六祖挟担図」の繊細さ

〈↑国宝 「六祖挟担図 」南宋時代・13世紀写〉 小誌連載中の島尾新多摩美術大学教授との次号連載、および少し後の特集の打ち合わせのため、五島美術館で待ち合わせ。現在、開催中の「伝えゆく典籍の名宝展」は、東洋の古典籍約3万点を蔵する「大東急記念文庫」の設立60周年を記念した展覧会です。 後期展示のメインの一つ国宝 「六祖挟担図 」を発見。島尾先生いわく、この賛は通常とは異なる方向から描かれているそう。というのも、描かれた人物が右に向いている場合は、賛は右から書かれるのだが、この作品では左から書かれているのです。確かに右隣に展示されている伝牧谿の「水無月観音像」はその通りに賛が書かれています。 鎌倉時代に書かれた「過去現在因果経」(重文)に添えられた絵のふくよかさにも心動かされますし、紫紙金字花厳経(奈良時代、重文)の完成された文字の美しさもためいきもの。 展示の終わり部分には、探幽旅絵日記を発見。巻紙に墨で描かれたものですが、風景がさらさらと一筆でその形を決められていて、やはりその技量の高さに驚きます。なぜか夏目漱石の自筆原稿もあって、幅広く集められていました。 それにしても、古典籍の数々を、戦後に一挙に集めることのできた東急電鉄の創始者五島慶太氏の美へのなみなみならぬ思い、そしてそれを支えることのできた資金力の豊富さをまざまざと感じました。 「伝えゆく典籍の名宝展」は11月29日まで五島美術館で開催中です。もうすぐ終わりですので、お見逃しなきよう。 その後、多摩美で打ち合わせをした後、すぐそばにある中華料理の「吉華」でお夕食。四川料理なので辛みがきいていますが、マーボー豆腐が絶品でした。

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